商工会議所の「小規模事業者持続化補助金」は
毎年あるので、お馴染みの定番補助金です。
補助金を使って新たにITや設備投資を始めてみよう
という「補助金初心者」社長にとっても、
比較的取り組みやすくお勧めです。
どんな補助金なの?
「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」がありますが
ここでは「一般型」を見ていきます。
小規模事業者持続化補助金(一般型)はカンタンに言えば
小さい会社が今後生き残っていくための
「販路開拓等の取り組み」の一部を補助します!
というもの。
「販路開拓」と言えば
ウェブでの集客、チラシ、マスコミを使ったPR、
商談スペース確保のための改装、包装デザイン刷新、
新商品開発、展示会・・・
いろいろな取り組みが販路開拓・販促とみなされます。
よくある「定番」はタイトルにもある「ホームページ」ですね。
貴方(御社)は対象の「小規模事業者」に該当するのか?
まず 対象となる「事業者」は・・
①「商業」と、宿泊・娯楽業を除く「サービス業」→ 5人以下(常時使用する従業員)
② サービス業のうち宿泊・娯楽業→20人以下(同)
③ 製造業その他→20人以下(同)
なので、本当に「小さい」会社です。
①などは例えば夫婦で営むショップ、個人営業のカフェ、
②も宿泊なら民宿レベルだし、
③の「製造業で20人以下」も零細ファクトリーのイメージです
ここを見ただけで、「あ、ウチはそれなりに社員数いるから無理」
などと判明します。
なお個人事業主もOKですが、ちゃんと税務署に「開業届」を出していることが
要件です。
なお個人でも医師・歯科医師・助産婦などはダメ。法人でも医療法人・宗教法人・一般社団法人などはダメ。
貰える額は?
上限は50万円 補助率2/3
MAXまで貰うぞ! なら75万円のホームページを発注
→ あとで50万円貰えるので 「実質25万円の出費」
といったイメージです。
小規模事業者、特に個人事業主にとっては
(最大)50万円は大きい額ですが、
最初に全額(75万円)払って、実行したあと
ようやく50万円が貰えるという仕組みなので(補助金は基本そういうもの)、
資金繰りの面では注意が必要です。
面倒くさいんじゃないの??
補助金と名の付くものに必須の「申請書」提出があります。
加えて、特徴的なのが「最寄りの商工会議所の協力が必須」という点です
(ちなみに商工会議所の会員である必要はありません)。
で肝心の「難易度」「手間」ですが、結論から言うと
トータルで見てそれほど難しくはありません!
申請書の類を見てみましょう。
様式1 ・・・・A4一枚。 社名など書いてハンコ押すだけ。簡単。
様式2 ・・・・重要。様式2がほとんどすべてと言ってよい。
様式3 ・・・・エクセルで2ページ。ここもそう難しくはない。
様式5 ・・・・A4一枚。社名やハンコの他、3項目のみ記入や選択、これも比較的簡単。
様式4と6は商工会議所が作成します。
またこれらデータをUSBメモリ等(電子媒体)で提出することも必須となっています。
様式2について 5ページ目6ページ目がフリーフォームとなっており・・↓


作文力・プレゼン力が試されるところですが
最近更新された商工会議所のホームページでは
居酒屋・カフェ・料理店・宿泊業・カラオケ店 としての
わかりやすい記載例が出ており参考になります。
実際に2021年2月に更新されたこの様式記載例を見ていただくと ↓
令和元年度補正予算 日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金 :: 申請について (jizokukahojokin.info)
数字や図表などが挿入された具体的で説得力のあるものになっています。
(ちなみにこれ以前にアップされていた記載例は結構ショボかったので参考にならなかった・・)
対象になる経費は??ダメなパターンは?
「ホームページが対象になる」と書きましたが
販路開拓につながらない単に「リニューアルしました!」ではダメ。
また検索上位に上げるための「SEO対策」にかかる経費も
効果が不明瞭なためダメと言われています。
同じホームページでも「販路開拓」という視点で
商品や企業のブランディング、SNS活用や動画活用、ウェブでの受発注などを
取り入れたものにして説得力を高める必要があります。
(もともとホームページが無い、のであれば「ネット経由での集客」=「販路拡大」とシンプルに言えるのでOKかと)
また基本的に転売可能な汎用品はダメ。
主にパソコン、Wifiルータ、NASのようなものが代表的です。
なお、実際に導入するもの、採用するサービスに関しては
見積書や請求書、支払いを証明できるものを添付しなくてはいけない決まりに
なっています。
導入予定のものを実際は導入せず、本当に欲しかった別の商品を代わりに導入する
といった「見せかけ」は出来ないと捉えましょう。
「様式2」作成に社長自ら取り組むべき
繰り返しますが補助金の申請としては難しくないレベルです。
業界や時代の流れ、自社の置かれた立場、
今後の展望・アイディア、
これらをアウトプットするいい機会です。
良くも悪くも商工会議所・商工会が絡むため
必要な助言も聞けるはずですし
ぜひチャレンジしましょう。
上にも記述した重要な様式2に関しては、
記載例を参考にして取り組むことになりますが
あらためて作成ポイントをいくつか挙げておきます。
ポイント①
公募の趣旨と合っているか
→ 金が欲しいだけ、設備を刷新したいだけ、と思われないように。
趣旨から外れればどのような案も通りません。大前提。
ポイント②
見やすくわかりやすく
→ 事例を見るとどれも「売上の内訳」「売上の推移」などが具体的な数字とともに示されています。表やグラフ、写真などを活用して
「見やすく」「わかりやすく」。
出来れば競合情報も入れるとなおいいでしょう。
ポイント③
計画の実効性と具体性
→ あまりに突拍子もない数字は根拠を示しづらく、テキトー感・やっつけ感が
出てしまいがち。「なるほど!」と思わせるくらいの計画性で。
ポイント④
審査員に刺さるストーリー性
→ 小規模なお店・事業所としての私たちは〇〇(←課題)なので
〇〇(←販路拡大の策)でこれを克服するのだ、
と熱い思い・決意を届けたいものです。