こんにちは 売れない新規開拓営業マン支援ブログ「営業大学」 管理人 です
あるとき、すっかり忘れかけていた見込み会社から4年ぶりに
「お~辞めてなかったね~よかった。ようやくお宅の商品買う時期が来たよ」と電話をいただく、という案件がありました。
今回はその「飛び込み営業からのおそらく最後の顧客化」案件を取り上げます。
商談概要
【顧客情報】 ボイラー設置業 社員数 約4名
【勝因】
・「とりあえず話を聞いてもらえる」という理由で新人時代から通っていたので顔なじみに
・お礼ハガキを書いたり、ちょっとした質問も約束を守ってちゃんと回答した
・担当者(社長の息子さん)とウマが合った
【時系列での受注まで経緯】
① ニーズが有るか無いかもわからず、とにかく飛び込み営業をしていた時期、「とりあえず話を聞いてもらえる」という理由で通っていた
② 面談のお礼ハガキを書いたり、質問に答えたり、とりあえず真面目に接した(つもり)
③ 訪問販売としてはあまりに小さい金額の商品を買ってもらったことはあるがバックエンド商品購入までには至らず
④ そうこうしているうちに自身が忙しくなり徐々に疎遠に
⑤ 最後に訪問してから約4年経過後、突然電話が
⑥ 電話口で「ご無沙汰してますね~」「ついにお宅のバックエンド商品買う時期が来たよ~」とフレンドリーに話し始めた
⑦アポとって見積書持って訪問。「他社から見積取ったりはしないけど、この金額、信用していいよね?」と → 後ほど受注の電話 → 契約へ
【競合情報 競合なし】
【決裁者 社長】
そもそも「急がない商品サービス」の場合は気長に、でよい
トレンド商品、今すぐ対処しないと法令違反になる、生死にかかわる、などの商品は「今すぐ」の受注が望めますが、そうではない商品の場合、気長に待たざるを得ないこともありますね。
このときの私の取り扱い商品は「急がない商品」でした。
「急がない」を「急がせる」のが営業のシゴトだろ!という声も聞こえて来そうですが、「急がせる」と「警戒されてしまう」のが今どきの営業事情ではないでしょうか。
売れる営業マンの場合
売れる → 余裕がある → 警戒されない → 相談が来やすい → 売れる
というサイクルがうまく回りますが
売れない営業マンの場合
売れない → 焦る → 買わされる!と警戒される → 相談が来ない → 売れない
という悪いサイクルが回ってしまいます。
これでは売れる営業マンはひたすら売れる一方、売れない営業マンはいつまで経っても売れない、ということになりますね。
とは言っても、売れていないのにニコニコして余裕見せて売れている営業マンのフリをせよ、と言っているわけではありません。
売れない営業マンはどこかでエイヤッと売れるサイクルに力技で持っていくしかありません。
それは当ブログでも繰り返し書いているように、「猛勉強」して「数多く訪問する」しかないと思います。
急がない商品を売る営業マンは、そのぶん数多くの見込み客をキープする必要があります。
数多くの見込み客があれば、コンスタントに商談になってそのうちのいくつかは受注・契約となり成績が安定します。
もしあなたが「急がないタイプの商品」の営業マンを「始めたばかり」であれば、ここを理解して、「猛勉強」「数多く訪問」を徹底し、とにかく「見込み量」を増やす努力をすべきです。
あらためて「お礼ハガキ」も大きな武器
新規開拓が軌道に乗り、既存客とも順調にお付き合いしていくと、今までやっていたことのいくつかを放棄するようになりました。
新規飛び込み件数が次第に減っていき、しまいにはゼロになりました。
かつては新規で名刺交換をした、面談が成功した、というレベルの出会いに対しても「お礼ハガキ」を欠かしませんでしたが、次第にお互いが顔なじみ同士になっていくと書くのをやめました。
でも熱を持ってハガキを書いていた時代の残り火がこうしてあとになって商談に結び付くことがあるのです。
お礼ハガキが無くても連絡は来たかもしれませんが、お礼ハガキによって大きく印象に残り「何かあればアイツに連絡しなきゃな」という感情がわくのは自然なことです。
訪問でそこそこの会話をしただけでは印象もそこそこで終わってしまうもの。
数日もすればその印象すらも消えそうなものですが、なんと翌日に初回訪問の印象を強力に上書きするような「お礼ハガキ」が届くわけです。
これはやはりなかなかの武器なはず。ライバルをはじめいろいろな取引先を見てきましたが継続的にやっているところはあったとしてもほんの少数です。
違うお客さんの話ですが、無事に新規受注したあとの雑談で
「こんなの(私のお礼ハガキを指して)が来ちゃったら、(感激して)捨てられないよね」
と言っていただきました。
最終的には捨てることにはなるかもしれませんが、確かにちょっと捨てづらい、というのはわかります。 むしろそうした人間らしい心を持つかたとつながりを持ちたいと思ってしまいますね。
【まとめ】
いくら多忙になった、とはいえ、せっかくの見込み客を4年ほったらかしはあり得ない、
とか
最終的には受注したもののあまりに効率が悪いのでは?
とか
いろいろ意見や突っ込みどころもあろうかと思います。
商談自体も、テクニカルなものでも、マーケティングが出来ていたわけでもないどちらかというと行き当たりばったりな(笑)例です。
しかしながら「そろそろアイツに電話してやるか、喜ぶだろうな」といった顧客感情は営業の基盤となるような考え方に通じます。
その意味では、顧客はいつも一番合理的な選択をする単なる消費者ではなく、時には感情をベースにして後で理屈付けをする、というような購買傾向もあるのです。
そこは営業マンが人間らしさで勝負できる貴重な領域です。理屈も大事ですが心に響く「感情営業」も同じくらい大事と心得ましょう。